植物性ミルクのおいしさ向上

植物性ミルクは、健康志向の高まり、ライフスタイルの変化から消費量が増加しています。しかし、植物性ミルクは、牛乳と比較して特有の風味があることや濃厚感が無いなどといった問題があります。牛乳の代わりに植物性ミルクを使用したおいしい食品の開発に役立つ素材を紹介します。

豆乳画像360


目次

 ・成長著しい植物性ミルクの背景
 ・植物性ミルクの課題:特有の風味があり、濃厚感が不足
 ・解決策:
   - 香料及び甘味料により、植物特有の風味をマスキング
   - 濃厚感・呈味感付与素材により、濃厚感を補強
   - 酸化防止剤により、風味劣化を抑制


成長著しい植物性ミルクの背景

近年欧米ではプラントベース食品のニーズが急速に高まっており、商品の増加と共に売上も拡大しています。その売上の4割以上を占める最も大きなカテゴリーは植物性ミルクです。植物性ミルクは、飲料やアイス、チーズ様食品などでも使用されています。
以前はベジタリアンやヴィーガンなどの特定の人が、プラントベース食品の主なターゲットでした。しかし、基本は植物性食品を中心に食べているが肉なども柔軟に取り入れるフレキシタリアンと呼ばれる人や、食糧不足・環境問題に配慮して週に一度肉を食べないミートフリーマンデーを実践する人などが増加し、急成長しています。
日本においては、健康志向から植物性ミルクや大豆ミートなどのプラントベース食品が注目されています。欧米と比較するとまだまだ市場規模は小さく、認知度は低いですが、SDGsの社会への浸透に伴いプラントベース食品の市場はさらに拡大していくことが予測されます。

大豆300 アーモンド300


植物性ミルクの課題

特有の風味があり、濃厚感が不足

牛乳を植物性原料に置き換えると、牛乳にはない植物由来の風味があることや、あっさりとした濃厚感の少ない食感になるなどの乳の風味とは異なった商品となってしまう場合があります。また、製造・流通時に、酸化による異味異臭が生じやすくなります。そのため、乳原料を植物性原料に置き換える場合は、商品設計上の工夫が必要です。

解決策

香料及び甘味料により、植物特有の風味をマスキング

古くから植物性ミルクとして認知度の高い豆乳は、デザート分野でも利用が拡大しています。豆乳をデザートに使用した場合、乳の風味に近づけるためには大豆特有の風味をマスキングする必要があります。
マスキングには、大豆の青臭い風味だけをピンポイントに抑えるマスキング香料「フレーバーコントローラー®シリーズ」と渋味などを抑制する甘味料製剤「サンナチュレ®シリーズ」を併用すると効果的です。乳製品を使用した従来のデザートを食べなれた方々にも違和感なく楽しんでいただくことができます。

豆乳のチーズ風デザート
豆乳のチーズ風デザート300


濃厚感・呈味付与素材により、濃厚感を補強

アーモンドミルクは、日本でも牛乳・豆乳に次ぐ第3のミルクとして市場に定着し、市場規模は拡大しています。しかし、牛乳をアーモンドミルクにそのまま置き換えた飲料は、乳の持つ濃厚感や呈味が少なく、物足りない風味となります。
乳のような濃厚感を付与する高機能デキストリン「スマートテイスト®」と自然な甘みを付与する甘味料製剤「サンナチュレ®シリーズ」を併用することにより、牛乳のような自然な濃厚感と呈味のあるアーモンド飲料を作ることができます。

アーモンドミルクティー
アーモンドミルクティー300


酸化防止剤により、風味劣化を抑制

植物性ミルクは脂質としてリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸を多く含んでいます。不飽和脂肪酸は、製造中や流通上で酸化されやすい性質があり、酸化分解されることで不快臭の原因成分が発生します。例えば、豆乳の劣化臭として問題となる青臭さや油臭さはリノール酸の酸化によって発生したhexanalや2-octenalなどのアルデヒド類が原因の一つと考えられています。不飽和脂肪酸の酸化劣化を抑えるためには酸化防止剤「サンメリン® Y-AF」が有効であり、風味の変化を抑え、おいしさを維持することができます。

米粉と豆乳のキャラメルサンドクッキー
米粉と豆乳のキャラメルサンドクッキー300

アーモンドチョコアイス
アーモンドチョコアイス300


各植物性ミルクの特性に応じたさまざまな応用処方例やデータを取り揃えています。植物性ミルクを使用した食品開発にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。



※「フレーバーコントローラー」「サンナチュレ」「スマートテイスト」「サンメリン」は当社の登録商標です。

(2022年3月)

pagetop