マイクロカプセル技術を応用した耐熱香料で香り高いから揚げを実現

高温の油で調理する揚げ物は、衣などに風味付けしても香りが残り難いという課題があります。また、流通時やホット販売時も香りは経時的に低下します。マイクロカプセル技術を応用した粉末香料製剤で風味豊かな揚げ物を作ることができます。

から揚げ イーストシール 解決事例 冒頭



目次

 ・人気を集める揚げ物市場
 ・揚げ物の課題:高温油ちょうや流通、ホット販売で香りが失われる
 ・解決策:マイクロカプセル技術で油ちょう時の香りの流出をブロック
   - 耐熱性粉末香料イーストシール®シリーズの特徴
   - 応用例:ガーリック香料



人気を集める揚げ物市場

から揚げやコロッケ、メンチかつなどの揚げ物は、ご飯のおかずだけでなく、おつまみやお弁当の一品、おやつとしても幅広い年齢層に人気のメニューです。
特にから揚げは、近年専門店が増加しており、こだわりの素材や調理方法、醤油やニンニク、柑橘などの様々な味付けにより人気を集めているほか、スーパーのお惣菜売り場やコンビニのレジ周りでも定番の商品となっています。また、外食、中食だけでなく、家庭でも手軽にから揚げを楽しめるように、様々なタイプの冷凍食品や肉にまぶして揚げるだけで簡単にから揚げを作ることができる味付きから揚げ粉などが販売されています。




揚げ物の課題

高温油ちょうや流通、ホット販売で香りが失われる

冷凍食品などの加工食品を開発する際は、使用できる原料や製法に制約があることが一般的です。特に風味面で差別化を行いたい場合は、揚げ物特有の様々な問題が生じます。
まず、から揚げは油ちょう時に180℃程度の高温になるため、特徴づけのために一般的な調味料や香辛料、香料などで風味を増強したとしても、香気成分が油ちょうによって揮発や劣化したり、揚げ油の中に流失したりすることで、商品に風味が残り難いという問題があります。
さらに、流通時の経時的な香りの消失も問題となります。例えば、冷凍食品の場合に、保存期間が長期にわたると香りが失われやすくなります。
また、調理済みの商品をホットショーケースで販売する間にも香りは失われます。
そのため、例えば、から揚げの風味面での特徴づけには、高温での油ちょう時、流通及び販売時に、いかにして香りを保持するかが課題になります。

解決策

マイクロカプセル技術で油ちょう時の香りの消失をブロック

当社では、油ちょうをしても風味がしっかりと残る粉末香料製剤「イーストシール®シリーズ」を開発しました。本品を使用することで、油ちょう時の風味の消失を抑え、流通から喫食まで風味を維持することができます。
イーストシール®シリーズは、香料成分を酵母細胞壁の中に封入し、さらに外側を糖類などで被覆してマイクロカプセル化しています。そのため、油ちょう時においても、揚げ油に香料成分が流出することが少なく、冷凍や再加熱、ショーケースでのホット販売時においても付与した香りが保持されます。また、喫食時にはカプセルから香りが徐々にリリースされ、口の中に広がります。
本品は粉末香料のため、ミックス粉やバッター液に加えることで、風味を付与することができ、から揚げや天ぷら、ドーナツなどのさまざまな揚げ物に活用ができます。




耐熱性粉末香料イーストシール®シリーズの特徴

 ● 高温油ちょう時における、香気成分の揮散や流出を抑制
 ● 喫食中に香りが放出され、食品にコクや余韻を付与

マイクロカプセル化のイメージ図 イーストシール マイクロカプセル化 イメージ




応用例:ガーリック香料

イーストシール®の特徴を評価するために、同じ量のガーリックオイルをアラビアガムで粉末化した香料とイーストシール®にてマイクロカプセル化した粉末香料にて比較評価しました。それぞれの香料を使用した鶏肉のから揚げを調製し、ガーリックの代表的な特徴香がどの程度残存しているかを分析しました。いずれの香気成分においても、イーストシール®はアラビアガムタイプと比較して油ちょう後により多くの香気成分が残っていることがわかりました。また、実際にイーストシール®を用いた試作品は、ガーリックの風味も強く感じられるから揚げとなりました。

から揚げ調理後における香気比較 イーストシール から揚げ調理後における香気比較

イーストシール®シリーズは、ガーリック以外にもコショウやジンジャーなどさまざまな香味へ応用が可能です。から揚げなどの揚げ物をご検討中の方や製造工程中や保存中、再加熱による風味の低下にお困りの方は、下記お問い合せボタンより、お気軽にお問い合わせください。



※掲載データは、当社評価によるものです。ご検討の際には、十分な試験をお願いいたします。
※「イーストシール」は当社の登録商標です。

(2022年2月)

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