弱酸性乳飲料でたん白を安定化

イチゴミルクのフルーツ感を高めるために果汁を多く入れたり、専門店のカフェオレに近づけるためにコーヒーを多く入れると飲料は中性から弱酸性に変化します。弱酸性になることで殺菌や保管によって乳たん白の凝集・沈殿が発生します。「カラギニン Hi-pHive®」は従来の安定剤では安定化できなかった弱酸性領域でも乳たん白を安定化できるため、新しい乳飲料を作ることができます。

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目次

 ・イチゴミルクのフルーツ感を高めたい
 ・専門店のようなカフェオレに近づけたい
 ・解決策:カラギニン Hi-pHive®を使用して乳たん白を安定化
   - カラギニン Hi-pHive®と従来の安定剤の違い
   - 応用例1:イチゴミルク
   - 応用例2:カフェオレ




イチゴミルクのフルーツ感を高めたい

イチゴミルクのような果汁入り乳飲料では、フルーツの風味を強くするために果汁を多く配合するとpHが低下し、乳たん白が不安定になることで、凝集・沈殿が発生します。そのため、果汁の使用量を少量に抑える必要があり、フルーツの風味を強くすることが難しくなります。



カフェ専門店のようなコーヒー風味に近づけたい

ペットボトルやチルドカップのカフェオレを専門店の味に近づけようとコーヒーを多く配合するとpHが低下し、乳たん白が不安定になることで、殺菌や保管によって凝集・沈殿が発生します。そのため、コーヒーの量を少量に抑える必要があり、コーヒーの風味を強くすることが難しくなります。一方で、重曹を使用してpHを中性(pH 6.7~7.0)に調整すれば乳たん白を安定化したカフェオレを作ることができますが、コーヒー本来の香ばしさや酸味が弱くなります。

解決策

カラギニン Hi-pHive®を使用して乳たん白を安定化

カラギニン Hi-pHive®を使用することで、弱酸性下(pH 5.3~6.3)の乳たん白を安定化できるため、果汁やコーヒーを多く配合した乳飲料を作ることができます。

カラギニン Hi-pHive®と従来の安定剤の違い
従来の乳飲料向け安定剤は中性であれば乳化剤、酸性であれば大豆多糖類やペクチンが使用されています。しかし、弱酸性ではこれらの素材では乳たん白を安定化することができず、弱酸性の乳飲料は市場にほとんど存在していませんでした。カラギニン Hi-pHive®は弱酸性領域でも乳たん白を安定化できるため、商品開発の幅を広げることができる素材です。
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応用例1:イチゴミルク

牛乳50%とイチゴ果汁1%を配合した試作品①は、pH 6.7で安定性にも問題はありませんでした。イチゴの風味を高めるために果汁を10%に増加させた試作品②は、弱酸性となり、UHT殺菌(130℃-3秒間)により乳たん白が凝集し沈殿が発生しました。一方、安定剤としてカラギニン Hi-pHive®を配合した試作品③は、果汁10%でも凝集や沈殿を抑制することができました。
さらに試作品を官能評価したところ、試作品③はミルク感もありながら、フルーツ感や酸味も強くバランスの良いイチゴミルクという結果になりました。

5℃-2週間保存後のイチゴミルクの状態
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果汁1%と果汁10%のイチゴミルクの風味比較
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応用例2:カフェオレ

牛乳22%にコーヒー固形1.2%(生豆換算 6.5 g程度)配合し、重曹を使用した試作品①は、pH 6.7で安定性に問題はありませんでした。 専門店のカフェオレの味に近づけるため、重曹を不使用にした試作品②は、弱酸性となり、UHT殺菌(130℃-3秒間)により乳たん白が凝集し沈殿が発生しました。 一方、安定剤としてカラギニンHi-pHive®を配合した試作品③は、重曹不使用でも凝集や沈殿を抑制することができました。
さらに試作品を官能評価したところ、試作品③は香ばしさや酸味が強調され、試作品②よりもコーヒー感とミルク感が高く、嗜好性が向上することがわかりました。

5℃-2週間保存後のカフェオレの状態
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重曹使用カフェオレとカラギニン Hi-pHive®併用カフェオレの風味比較
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弱酸性の新しい飲料にご興味のある方や、乳飲料の安定性にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

※掲載データは当社評価によるものです。ご検討の際には十分な試験をお願いいたします。
※「Hi-pHive」は、CP Kelco社の登録商標です。

(2023年5月)

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