クチナシ赤色素の明色化

クチナシ赤色素は、pHによる色調変化はほとんどなく、耐熱性、耐光性にも優れる色素です。しかし、彩度が低いため、菓子やパンへのイチゴやサクライメージの着色や、ハム・ソーセージなどの明るい赤色の着色はできませんでした。独自技術により明色化したクチナシ赤色素製剤「アートレッド® BR」は、幅広い食品に明るい赤色の着色が可能です。

解決事例 クチナシ赤 ロールケーキ トップ360 解決事例 クチナシ赤 カップケーキ トップ 縦229



目次

 ・クチナシ赤色素とは
 ・ クチナシ赤色素の課題:イチゴやサクラなどの明るい色を再現できない
 ・解決策:明色化クチナシ赤色素製剤 アートレッド® BRを活用
   - 応用例1:食パン
   - 応用例2:ハム
   - その他の応用例




クチナシ赤色素とは

クチナシ赤色素は、クチナシの果実から分離精製して得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解とたん白質分解物の混合物に、β-グルコシダーゼを添加することで得られる色素です。他の赤系色素のようなpHによる色調の変化はほとんどなく、耐熱性、耐光性にも優れているため、弱酸性~中性域の菓子やパン、飲料など幅広い食品に使用されています。

主要な赤系色素の特徴
解決事例 クチナシ赤 赤色色素比較3




クチナシ赤色素を使用する上での課題

イチゴやサクラなどの明るい色を再現できない

従来のクチナシ赤色素はやや青みが強く暗い色調のため、菓子やパン、デザートなどでイチゴやモモ、サクラなどをイメージする色調表現はできませんでした。また、ハムやソーセージでも明るい赤色を表現できないため、使用することが困難でした。このため、これらの食品では、コチニール色素やラック色素が多く使用されています。

解決策

明色化クチナシ赤色素製剤 アートレッド® BRを活用

原料や製造工程を厳密にコントロールすることで、鮮やかで明るい赤色を呈するように開発したクチナシ赤色素製剤がアートレッド® BRです。pH4付近の弱酸性から中性域の幅広い食品に使用できます。




応用例1:食パン

従来のクチナシ赤色素や紅麹色素、トマト色素は、青みや黄みが強く、サクラ色に着色できませんが、アートレッド® BRで着色した食パンは、コチニール色素やラック色素に近いサクラ色を表現できます。
さらに、アートレッド® BRはコチニール色素やラック色素と同等の耐光性を有しています。

各種色素の着色見本(食パン)
解決事例 クチナシ赤 食パン 色見本3

各種色素の耐光性(食パン)
解決事例 クチナシ赤 食パン 耐光性3




応用例2:ハム

アートレッド® BRを使用することでハムに明るい赤色の着色が可能です。さらに、従来のクチナシ赤色素より肉の組織への浸透性が高いため色ムラや斑点が生じにくく、より均一な着色が可能です。
また、コチニール色素と比較してたん白の染着性が高く、ドリップや食材への色移りなど色素の溶出が起こりにくいという特徴があります。

インジェクション加工したハムの着色例
解決事例 クチナシ赤 ハム 着色見本




その他の応用例

明るい色調を活かして、パンやケーキ、プリン、和菓子等にイチゴやモモ、サクラの色を付与できます。

イチゴのロールパン
解決事例 クチナシ赤 イチゴ風味ロールケーキ

モモのプリン
解決事例 クチナシ赤 ピーチ風味プリン

サクラ色の白玉
解決事例 クチナシ赤 サクラ 白玉


クチナシ赤色素の明色化により、クチナシ黄色素やクチナシ青色素など他のクチナシ色素との混合で、ラベンダー色やオレンジ色など多彩な色調を表現できます。

クチナシ色素のみでの着色したホイップクリーム
解決事例 クチナシ色素 カラフル ホイップクリーム




当社ではさまざまな着色料製品をラインアップしています。食品への着色でお困りの方やカラフルな着色にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

※掲載データは当社評価によるものです。ご検討の際には十分な試験をお願いいたします。
※「アートレッド」は当社の登録商標です。

(2023年3月)

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