油脂の酸化を防ぎ、菓子のおいしさ長持ち

クッキー、ドーナツ、チョコレートなどの菓子類は、油脂を多く含んでおり、酸化による風味劣化を起こしやすい食品です。酸化防止剤ヤマモモ抽出物は油脂の酸化を防ぎ、食品本来の風味を維持します。

目次

　・菓子に含まれる「油脂」
　・油脂を含む菓子の課題：油脂の酸化を防ぎ風味劣化を抑制したい
　・解決策：ヤマモモ抽出物の２つのメカニズムで食品を酸化から守る
　　　- ヤマモモ抽出物の酸化防止メカニズム
　　　- 応用例1：小麦胚芽入りクッキー
　　　- 応用例2：ドーナツ

菓子に含まれる「油脂」

菓子の原料として欠かせないバターやチョコレート、チーズには油脂が多く含まれており、これらの素材を使用すると油脂含量が高くなります。また、ドーナツやスナックでは、製造する上で必須な油調工程があります。菓子にとって油脂は欠かせない素材となっています。
近年、本物志向や高級感を付与するためにバターやチョコレートをたっぷり含んだ菓子を見かけることが増えました。また、健康志向から、健康に良い油脂を含む小麦胚芽や全粒粉を使った焼き菓子なども増えています。

菓子および原料の油脂含量（日本食品標準成分表（八訂））

油脂を含む菓子の課題

油脂の酸化を防ぎ風味劣化を抑制したい

油脂を多く含む菓子を開発する際に課題となるのが、油脂が酸化することによる風味の劣化です。
酸化は、製造工程、倉庫での保管、店頭での陳列などサプライチェーンのさまざまな場面で光や酸素にさらされることによって起こります。
油脂の酸化抑制にはビタミンEやローズマリー抽出物がよく用いられますが、“酸化防止素材そのものの風味が問題になる”、“効果が十分でない” などの理由から風味劣化を解決できない場合があります。

ヤマモモ抽出物の２つのメカニズムで食品を酸化から守る

ヤマモモ抽出物の主成分はミリシトリンというフラボノイドです。特に油脂の酸化防止効果に優れており、菓子をはじめ、油脂を多く含む食品全般に使用できます。また、ほとんど風味がないため、食品の風味に影響を与えません。

ヤマモモ抽出物の酸化防止メカニズム

ヤマモモ抽出物は、２つの酸化防止メカニズムにより高い酸化防止効果を発揮します。 1つ目の効果は、食品の酸化の要因となる紫外線を吸収する作用です。ヤマモモ抽出物は、ビタミンEやローズマリー抽出物よりも高い紫外線吸収作用を示し、プラスチックフィルムを透過する紫外線（320~400nm）の透過を防ぎ食品の酸化を抑制できます。

紫外線吸収作用

2つ目の効果は、酸化劣化を促進する因子であるラジカルを消去する作用です。光や熱などが原因となりラジカルが生成されると、そのラジカルがさらに連鎖的かつ加速度的に食品の酸化を進行させます。ヤマモモ抽出物は、ビタミンEやローズマリー抽出物よりも高いラジカル捕捉活性を持っているため、連鎖反応を断ち切ることで酸化の進行を抑制できます。

ラジカル捕捉作用

応用例1：小麦胚芽入りクッキー

クッキーは、多くのバリエーションがあり、さまざまなシーンで食べられています。近年では健康志向の高まりから小麦胚芽や全粒粉を配合した製品も多く見られています。小麦胚芽や全粒粉は、リノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含むため、陳列時の光や経時的な酸化反応により、金属的な劣化臭を生じることがあります。
ヤマモモ抽出物製剤を生地に0.1%添加することで、小麦胚芽入りクッキーにおける、酸化を抑制し、風味劣化を改善できます。

クッキーの風味劣化抑制

応用例2：ドーナツ

油脂の酸化の指標*には過酸化物価(POV)が用いられます。ドーナツは油脂を多く含むことから、POV上昇が問題になります。製造後の保管によるPOVの上昇によって、賞味期限を短くせざるを得ないケースが生じます。
ヤマモモ抽出物はドーナツの酸化による風味劣化の抑制に加え、POVの上昇を抑制します。下の試験において、ヤマモモ抽出物製剤を生地に0.1%添加することでPOVが30に到達するまでの時間を無添加の場合の1.7倍に延長することができました。

*菓子指導要領(昭和52年11月16日環食第248号)において、油脂の酸化による食中毒を防ぐため「菓子はその製品中に含まれる油脂の酸価が3を超え、かつ、過酸化物価が30を超えるものであってはならない」など、いくつかの管理事項があります。

ドーナツの過酸化物価(POV)発生抑制

ドーナツの風味劣化抑制

当社では「サンメリン^®シリーズ」としてヤマモモ抽出物をはじめとした酸化防止剤製剤を各種取りそろえています。
酸化による風味劣化を抑制することで賞味期限の延長が可能となり、食品ロスの削減にも貢献できます。酸化の抑制や賞味期限延長などの課題をお持ちの方は、下記お問い合わせボタンよりお気軽にお問い合わせください。

※掲載データは当社評価によるものです。ご検討の際には十分な試験をお願いいたします。
※「サンメリン」は当社の登録商標です。

(2022年11月)