乳成分のフレッシュさを維持する酸化防止剤

搾乳されたばかりの生乳は、フレッシュな香りが特徴ですが、乳のおいしさは加工工程や経時的な変化により、維持できないことが多々あります。主な要因は酸化であり、工程中や保管中の酸化を防ぐことが、乳本来のおいしさを保つためには不可欠です。酸化防止剤「サンメリン® Y-AF」は、乳成分の酸化による劣化を防ぎ、食品本来の風味を維持します。

 

酸化によるさまざまな異臭成分の発生、ニーズの多様化によるリスクの増加

乳の本来のおいしさが維持されないのは、乳に含まれる脂質やたん白、アミノ酸、香気成分などが酸化されることで異臭成分が生成されるためです。特に、脂質が酸化されたときに生成されるヘキサナールなどの青臭い成分や、含硫アミノ酸が酸化されたときに生成する刺激のある硫化化合物などの異臭成分が問題となります。酸化による異臭成分の発生は、主に熱や光、酸素の影響が大きく、低温保管したり、遮光容器で包装したり、酸素を遮断することで抑えることができます。

しかし、食品の市場や流通の変化に伴って、酸化のリスクは増加しています。たとえば、コンビニやスーパーの照明の高照度化や、商品の中身を見せることで、購買意欲を高めるための透明包材化、環境に配慮した容器包装の軽量化やラベルの縮小など、光や酸素から商品を守ることが難しくなってきています。さらには消費者ニーズの多様化により、乳成分をリッチにした商品や、たん白を強化した商品が次々と発売されており、酸化による劣化のリスクは増加しています。

また、社会課題である食品ロスの削減を目指した商品の賞味期間の延長もさかんに取り組まれています。このように、酸化による劣化を防止することの重要性が高まっています。


酸化防止剤の種類と選定

酸化防止剤には、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、お茶から取られるカテキン、コーヒーから取られるクロロゲン酸など多くの種類があります。それぞれ水や油への溶解性が異なったり、酸化防止できる成分が異なったりします。また、カロテノイドのように色がついたり、カテキンのように風味に影響を与えたり、ビタミンCのようにその成分自身が異臭の原因になるケースもあります。そのため、酸化を防止したい食品に応じて最適なものを選定する必要があります。


解決策

素材の風味を損なわず、商品を風味劣化から守る

ヤマモモに含まれるフラボノイドを主成分とする酸化防止剤製剤サンメリン® Y-AFは、色や風味への影響がほとんどない水溶性の酸化防止剤です。 食品の酸化は、酸素の存在下で光や熱などにより、フリーラジカルが発生することで加速度的に進みます。サンメリン® Y-AFは、紫外線吸収効果が高く、フリーラジカル捕捉作用も強いことから、酸化のきっかけと進行の両面を抑制することができます。

そのため、流通や容器、ラベル形態の変化による、乳脂肪や乳たん白などを劣化から守ることができます。

 

光照射により乳成分から生成する異臭GC/MS分析結果

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12日間光照射後の乳たん白含有飲料の官能評価

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※掲載データは、当社評価によるものです。ご検討の際には、十分な試験をお願いいたします。
※「サンメリン」は当社の登録商標です。


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