医薬品を服用しやすく
甘味剤で苦みをマスキング

砂糖に比べ数十~数万倍の甘味をもつ甘味料を、高甘味度甘味料と言います。通常の食品において、カロリー低減などの目的に利用されています。
しかし、高甘味度甘味料は甘味を付与するだけでなく、苦味や渋味を効果的に抑制(マスキング)する効果もあり、医薬品へ応用される事例が近年多くなってきています。

高甘味度甘味料により得られるメリット


医薬品に甘味料を使用するメリット.png




薬の味に関する問題とマスキングの意義

医薬品では、QOL(Quality of Life;生活の質)の向上を目指した剤形の開発が注目されています。
最近では口腔内崩壊錠(OD錠)などの、口の中でさっと崩れ、水なしで簡単に服用できる剤形が増えています。
服用しやすい薬は患者様本人だけのメリットではなく、介護者やご家族の負担の軽減にもつながります。


口腔内崩壊錠(OD錠)の登録件数の推移

OD錠登録件数の推移.png

上述のOD錠などは簡単に服用できますが、口腔内で咀嚼により崩壊させるため、口の中に薬の味が広がり、医薬品の有効成分由来の苦味や渋味を強く感じてしまうというデメリットがあります。

「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、それでも苦い薬を服用するのは嫌なものです。服用時の不快感がきっかけになり、患者様が規定通り服薬できないなど、アドヒアランスの低下にもつながりかねません。

この問題を解決するために、甘味剤や矯味剤、香料等を添加して味覚や嗅覚など官能的にマスキングする方法が検討されています。
特に高甘味度甘味料は少量でマスキング効果を発揮することからOD錠への使用が増加しています。

解決策

甘味剤による薬の味のマスキング

甘味剤は「味の抑制効果」によって薬の味をマスキングすると考えられています。
味の抑制効果とは、二つ以上の違う味が組み合わさった時に、一方あるいは両方の味が弱く感じられる現象です。
味の抑制効果が生じるように、不快な苦みや酸味が感じられるのと同時に甘味を感じることがマスキングには重要です。

高甘味度甘味料は種類により、甘味の強さや甘味の発現のタイミング、甘味の質などが異なります。
薬の苦味が発現するタイミングと甘味発現が合致する甘味剤を選択することで、より高いマスキング効果を得ることができます。

例えば、後味に苦みが残るのであれば、甘味の発現が遅く、持続する甘味を有するソーマチンがマスキングに適しています。



スクラロース、ソーマチンの特徴と医薬品へ応用

スクラロースとソーマチンは、ともに医薬品添加物規格に収載されている甘味剤です。

スクラロースは、砂糖を原料として作られた、砂糖の約600倍の甘味を有する高甘味度甘味料です。
砂糖に近い良好な甘味を持ち、苦味や渋味などの不快な味をマスキングする効果にも優れています。食品分野においては、清涼飲料や菓子、調味料など幅広い食品に「味質の良さ」が評価され、使用されています。
また、血糖値に影響を及ぼさないことから、糖尿病患者の方にも安心して摂取いただけます。

ソーマチン(タウマチン)は、甘味が砂糖の3,000〜8,000倍と非常に甘味倍率の高い甘味剤です。
砂糖や他の高甘味度甘味料と比べて「甘味が持続する」という特徴があります。持続する甘味が、いつまでも後味に残る不快な味に対して優れたマスキング効果を発揮します。

また、ソーマチンは、甘味閾値付近の添加量(甘味を感じるか感じないかの量;約1 μg/g)でもマスキング効果を発揮します。そのため、医薬品に強い甘味を付与しなくても不快な味を抑制することができます。


ソーマチンの苦味マスキング効果

ソーマチンの苦味マスキング効果.png


スクラロース、ソーマチンの併用でより効果的にマスキング

スクラロースとソーマチンは甘味の発現するタイミングが異なるため、併用することでより効果的なマスキングができます。
スクラロースで砂糖に近い良好な甘味を付与しつつ、口に入れたときにすぐに感じる不快な味を低減し、ソーマチンを甘味が発現しない量を添加することで舌の上にいつまでも残る不快な味を抑えることができます。


スクラロース、ソーマチンの併用によるマスキング効果のイメージ

甘味料の苦味マスキングイメージ.png

手軽に不快な味を抑えることができるスクラロースやソーマチンにご興味を持たれましたら、下記のお問い合わせフォームにてお気軽にお問い合わせください。



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