研究論文・学会発表(詳細)

日本農芸化学会2020年度大会にて「コロナ検出器を用いた果汁および野菜汁の有機酸定量法の検討」について口頭発表を行いました。

演題

コロナ検出器を用いた果汁および野菜汁の有機酸定量法の検討

発表者

大城沙織 1箕川剛 1石橋諒 1東村豊 1西野雅之 1
1. 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社

発表内容

食品の色は、食品のおいしさを構成する重要な要素の一つです。そのため、着色を目的として果汁や野菜汁といった着色食品が広く使用されています。着色食品の品質を管理する上で風味は重要な要素です。その風味を構成する多種類の有機酸は従来、UV吸収が弱く、さらに逆相クロマトグラフィーでは保持が弱いため原料由来の糖やタンパク質といった夾雑成分との分離が困難です。そこで、夾雑成分との分離を可能にするために、前処理およびクロマトグラフィーの条件を検討した結果、アニオン交換カートリッジによる前処理と、コロナ検出器を用いた検出で、UV吸収が弱い有機酸成分を定量する方法を報告しました。各種有機酸のピークと競合する、原料由来夾雑成分のピークを、アニオン交換カートリッジを用いた前処理によって除去でき、さらに十分な回収率を得ました。これにより、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸は荷電化粒子検出器を用いて一斉分析および定量が可能となりました。これまで定量が難しかったUV吸収が弱い有機酸の検出については、荷電化粒子検出器を用いることにより高感度での定量が可能となりました。酒石酸の定量に向けては、酒石酸のピークと競合する妨害ピークが課題となっており、現在検討中です。

学会名

日本農芸化学会2020年度大会(2020年3月5日開催)

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