ニュース一覧

ニュースリリース

日本食品科学工学会 第69回大会で論文賞を受賞しました。

三栄源エフ・エフ・アイは、日本食品科学工学会 第69回大会(2022年8月24日~26日)で、大阪大学との共同研究の成果について令和4年度の論文賞を受賞しました。この論文賞は、該当年度内に日本食品科学工学会誌に発表された論文の中から、編集委員会の厳正な審査を経て特に優秀と認められた論文の著者に授与されるものです。

■賞題
令和4年度日本食品科学工学会「論文賞」

■受賞論文の表題
「フィルム式多点圧力センサーを用いたゲル状食品の食感推定」(第68巻 第2号55-64頁)

■受賞者
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社  中馬 誠、池上 聡、船見 孝博
大阪大学大学院工学研究科  柴田 暁秀、東森 充

■受賞内容
官能評価以外の食感の評価手法として機器分析や生理計測などの研究が進み、複数の評価法の組み合わせにより官能評価と相関の高い結果が得られるようになってきました。しかし、「つるつる感」や「ねっとり感」などの表面特性に関する食感は、官能評価以外の手法では定量化が難しく新たな評価法が求められてきました。

三栄源エフ・エフ・アイは大阪大学との共同研究により、フィルム式多点圧力センサーと画像解析を組み合わせた新しい食感評価法を開発しました。具体的には、縦44点、横44点の2次元に配置された感圧点をもつセンサーシート上にゲル状食品をおき、垂直方向に圧縮した時のセンサーシートにかかる圧力分布を計測します(図1)。例えば、脱アシル型ジェランガムのような脆く、つるつるとした食感のゲルの場合、破断後から圧力がかかる点の分布が大きく、ばらばらに散らばっている様子が観察されます。一方、イオタカラギナンのような伸びやすくもちもちした食感のゲルでは、破断後においても圧力がかかる点の分布はばらばらにならず、ゆっくりと広がっていきます(図2)。この圧力分布の時間変化を解析することによって、「つるつる感」、「ざらざら感」、「もちもち感」、「ねっとり感」のようなゲル状食品の表面特性に関する食感を精度よく推定できます(特許6324741号)

嗜好性を追求するデザートなどの加工食品だけでなく、摂食・嚥下のしやすさとの両立が求められる介護食の開発にも活用できると考えます。食品のおいしさを構成する一要素である食感は多くの属性の集合体であり、食感研究には力学だけでなく、心理学・生理学・統計学などの研究領域が関与しています。今後も様々な観点から食感研究を進め、食品開発の発展に貢献してまいります。


図1 フィルム式多点圧力センサーと一軸圧縮試験機


図2 圧縮による圧力分布変化の例


pagetop