演題
リンゴの成熟過程における香気および呈味成分の変化
発表者
湊康平 1、服部雄飛 1、清水拓 2
1. 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
2. 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
発表内容
黄色系リンゴは果実の表面色によって収穫時期が判断されますが、その判断は難しいです。黄色系リンゴ品種の‘トキ’については、十分に熟していないまま早もぎされた果実が台湾へ輸出され、その評価が下がるケースが報じられていました。そこで、私たちのグループはGC/MSを用いて‘トキ’リンゴの標準収穫日(満開から140日後)前後の香気成分および遊離アミノ酸を分析しました。香気成分量は果実の成熟に伴って増加し、特に収穫日の5日前から急激な増加が見られました。また、分岐鎖アミノ酸の多くは収穫日以降に減少しましたが、イソロイシンは急激に増加し、2-メチルブタノールおよび2-メチルブチルアセテートの増加と一致していました。これらの結果から、‘トキ’の香気成分は成熟の最終段階における比較的短い期間にバランスが変化していくことが示されました。
学会名
第66回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2022年11月5日~7日 琉球大学にて開催)