研究論文・学会発表(詳細)

LWT-Food Science and Technology に「Identification of aroma compounds responsible for apple flavor via palatability score prediction in tree-based regression models」についての論文が掲載されました。

論文タイトル

Identification of aroma compounds responsible for apple flavor via palatability score prediction in tree-based regression models

著者

清水拓 1、服部雄飛 2、大上将司 2、今吉有理子 2、森谷茂樹 1、岡田和馬 1、澤村豊 1、阿部和幸 1
1. 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
2. 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社

アブストラクト

リンゴの風味は香気成分の組成に関連していますが、香気成分の濃度の違いが風味に与える影響については十分に理解されていません。官能評価は食品の嗜好性解析によく用いられますが、すべての香気成分についてその濃度の影響を評価するのは困難です。本研究では、回帰モデル、ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)および官能評価スコアを用いて、174のリンゴ遺伝資源から重要な香気成分をスクリーニングしました。パラタビリティ(嗜好性)スコアの予測には、相関分析の限界を克服するために、ランダムフォレストとXGBoostという2つのモデルが使用されました。さらに、Shapley値解析によって、5-ヘキセノール、エチル2-メチル酪酸、2-メチルブチルアセテート、(E,E)-α-ファルネセン、(Z)-3-ヘキセノールが重要な香気成分として特定されました。香気成分濃度の影響を検証する官能評価において、(E,E)-α-ファルネセンの濃度変動が嗜好性スコアに負の影響を及ぼすことが確認されました。本研究は、リンゴ風味に影響を与える香気成分の新たな特定手法を示しており、リンゴの品質や嗜好性向上への有用な知見を提供しています。

掲載誌名

LWT Volume 192, 15 January 2024, 115737

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