第46回バイオレオロジー学会年会にて「高温高圧処理による改質キサンタンガムの曳糸性」について口頭発表を行いました。
演題
高温高圧処理による改質キサンタンガムの曳糸性
発表者
柴田章吾 1、池上 聡 1、前田和寛 1、中馬誠 1、船見孝博 1
1. 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
発表内容
高温高圧処理によって低分子化されたキサンタンガム水溶液の曳糸性が低下することが知られていましたが、そのメカニズムは明らかにされていませんでした。本発表では、高温高圧処理によるキサンタンガム水溶液の曳糸性低下の要因を明らかにすることを目的としました。処理条件の異なるキサンタンガムを調製し、分子量測定、原子間力顕微鏡観察および伸長粘度計によるフィラメント破断時間の測定を行いました。その結果、高温高圧処理強度の増加に伴い分子量が低下すること、弱い処理では凝集構造が確認された一方、強い処理では凝集構造は消失し、短い繊維のみが観察されました。また、高温高圧処理強度が弱い場合でもフィラメント破断時間は顕著に短かくなりましたが、処理強度を強めても破断時間のさらなる短縮はほとんど見られませんでした。これらの結果から、高温高圧処理による曳糸性の低下には、「凝集構造の形成」と「低分子化」という二つの要因が、それぞれ独立して関与していることが示唆されました。
学会名
第46回バイオレオロジー学会年会(2023年6月3日~4日 兵庫県立大学にて開催)