第33回食品ハイドロコロイドシンポジウムにて「多糖類溶液の伸長レオロジーとトライボロジー及びこれらを用いた嚥下特性評価」について口頭発表を行いました。
演題
多糖類溶液の伸長レオロジーとトライボロジー及びこれらを用いた嚥下特性評価
発表者
中馬誠 1
1. 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
発表内容
嚥下時の「まとまり感」、「曳糸性」、「ぬめり感」といった食感を客観的に評価するため、キサンタンガム(XG)とローカストビーンガム(LBG)溶液を用い、伸長レオロジーとトライボロジー測定と官能評価の相関を調べました。その結果、「まとまり感」は伸長初期の伸長粘度と、「曳糸性」は伸長末期の伸長粘度と、「ぬめり感」は境界潤滑域の摩擦係数と、それぞれ高い相関を示しました。XGはまとまり感とぬめり感に、LBGは曳糸性に優れるという感覚の違いも、これらの物理指標で説明可能でした。本研究は、従来のせん断レオロジーでは困難な食感の定量化に伸長・摩擦特性の評価が有効であり、嚥下困難者向け食品開発の指針となることを示しました。
学会名
第33回食品ハイドロコロイドシンポジウム(2022年9月30日 京都大学にて開催)