低糖質・低脂肪商品へ　自然にコクや濃厚感

近年、低糖質や低脂肪といったコンセプトの商品が市場で増加しています。このような商品を開発する際の問題は、コクや濃厚感が不足することです。「スマートテイスト^®」は、砂糖や脂肪分を減らすことによって損なわれたコクや濃厚感を補うことができる高機能デキストリンです。

おいしい低糖質・低脂肪商品の開発には工夫が必要

生活習慣病を予防するため、塩分を控える、ダイエットで糖質を制限するなど、消費者の健康意識が高まり続けています。また、リモートワークによる運動不足や、家での飲酒量増加などを背景に、低糖質や糖質ゼロ、低脂肪や脂肪ゼロなどの商品に注目が集まっています。低糖質や低脂肪商品は、麵類やパン、スイーツなど幅広い食品分野で見られるようになっています。中でも継続的に購入されやすい酒類や飲料分野でのニーズが高くなっています。

このような低糖質や低脂肪商品は、糖質やカロリーにつながる砂糖や脂肪分を減らすこととおいしさを両立することが開発上の課題となります。例えば、コーヒーを低糖化するために砂糖を減らし、高甘味度甘味料に置き換えます。さらにおいしさを向上させるためには濃厚感の付与など、他の素材を組み合わせるなどの工夫が求められています。

コクを補う素材の問題

飲料ではコクや濃厚感を補う素材として、ポリデキストロースや難消化性デキストリンなどの食物繊維やデキストリン、エリスリトールなどが使用されます。しかし、少量の添加量では期待する効果が得られなかったり、添加量を多くすると風味立ちが悪くなったり、後口が悪くなるという問題が生じます。

コクや濃厚感を補うための高機能デキストリン

スマートテイスト^®は、馬鈴薯デンプンを厳密に管理した酵素分解によって低分子化したデキストリンです。水に溶解して冷却することで結晶化し、2～5 μm程度の微粒子を形成します。その微粒子はマヨネーズや生クリームの脂肪球とほぼ同じ大きさであり、従来のデキストリンのような糊っぽさがなく、舌の上に適度に乗ることでコクや濃厚感を感じることができます。

砂糖や脂肪分を減らすことによって失われたコクや濃厚感は、スマートテイスト^®で補うことができます。

スマートテイスト^®が形成する粒子

無糖や微糖の缶コーヒーやPET飲料では、スマートテイスト^®を使用することにより砂糖を減らした時に失われるボディ感やコクを付与することができます。また、低脂肪乳やドリンクヨーグルトなどでは、乳脂肪を減らした時に失われるコクや濃厚感を付与することができます。

無糖コーヒーの官能評価

スマートテイスト^®は、0.1%以下での添加量では透明な溶液状態を保ち、1%以上になると白濁した溶液となります。多糖類やデキストリンの様な分子状ではなく、粒子状のため、舌への接触面積が小さいことから、後半にべた付くことがなく後口にもほとんど影響しません。

一方、15%以上ではなめらかなペースト状、さらに20%以上ではゲルを形成します。いずれも増粘剤やゲル化剤には再現できない滑らかで濃厚なスプレッド状の食感と物性を作ることができます。

飲料以外にも、アイスクリーム類やヨーグルト、プリンなどのデザート類、調味料など幅広い食品でコクや濃厚感を補う目的に有効です。また、カルボナーラソースやラーメンスープなどの液状食品やクリームコロッケやマヨネーズ風ドレッシングなどのペースト状の食品にコクや濃厚感を付与し嗜好性を向上させます。

※掲載データは、当社評価によるものです。ご検討の際には、十分な試験をお願いいたします。
※「スマートテイスト」は当社の登録商標です。