2005.11食品化学新聞ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を今秋上市ーKlucel Nutra、AeroWhip、新たな用途開発もー

ニュースリリース

2005.11

三栄源エフ・エフ・アイ株式会社は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を上市すると発表した。HPCは、平成17年8月19日付け官報にて認可された新規食品添加物。 同社が上市するのは、米国ハーキュリーズ社製のKlucel NutraシリーズとAeroWhipシリーズ。ハーキュリーズ社は、HPC等のセルロース誘導体の世界的なトップメーカーで、医薬、食品、工業品等の用途に広く実績を有する。 同社は、HPC認可の動きを受けて、ハーキュリーズ社と交渉の結果、HPCの食品向けの販売権を取得したもの。また、同社は、これまで培った食品への応用技術を駆使し、新たな用途向けに開発した製剤も併せて上市する。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、セルロースにプロピレンオキサイド等のエーテル化剤を反応させて得られるセルロース誘導体であり、非イオン性で水溶性の素材である。HPCは、温度が40℃を越えた付近から凝集し、水に溶けなくなる特徴を有している。なお、HPCはエタノールにも溶解する。 HPCは、わが国においては、日本薬局方第二部に収載されており、錠剤や顆粒の潤滑剤やコーティング剤、結合剤等に使用されている。海外では、医薬品や食品への使用が認められており、ホイップクリーム等の乳化・気泡補助剤、ナッツ類のコーティング、菓子類のグレーズ(艶出し)等に使用されている。 2002年7月、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会にて、JECFAで国際的に安全性評価が終了し、一定の範囲内で安全性が確認されており、かつ、米国及びEU諸国等で使用が広く認められていて国際的に必要性が高いと考えられる食品添加物については、企業等からの指定要請を待つことなく指定に向けた検討を開始する旨の方針が示され、HPCはその対象として選ばれた。 厚生労働省は、この指針に基づき、昨年8月より、HPCの食品添加物指定に向けての作業を開始し、本年3月には、食品安全委員会が、ADIを設定する必要はないとの結論を取り纏めた。その後、薬事・食品衛生審議会、パブリックコメント、WTO通知等を経て、平成17年8月19日付け官報第4160号にて新規に食品添加物として認可されたもの。指定にあたり、HPCに使用基準は設定されず、すべての食品への使用が可能である。また、他の食品添加物と同様に、規格基準が設定された。食品への表示名は、ヒドロキシプロピルセルロース、又は、HPC。

同社が上市するKlucel NutraシリーズとAeroWhipシリーズは、HPCに微粒二酸化ケイ素0.3%を固結防止剤として配合した製品。微粒二酸化ケイ素はキャリーオーバーに該当し、最終食品への表示は免除される。但し、微粒二酸化ケイ素には使用制限があり、母乳代替食品及び離乳食品への使用は出来ない。 Klucel Nutraシリーズは、低粘度タイプで、10%水溶液の粘度が数百mPa・s程度。特に、健康食品の錠剤や顆粒のコーティングやバインダー、錠剤の結合剤等に適している。20メッシュ粒度のWタイプと60メッシュ粒度のDタイプがあり、溶液で使用する場合は粒度の粗いWタイプ、錠剤の直打用には粒度の細かいDタイプが適している。 一方、AeroWhipシリーズは、中粘度から高粘度タイプで、5%水溶液の粘度が数百mPa・s~1%水溶液で数千mPa・s程度。これらの製品は、ホイップクリームに気泡安定、離水防止、濃厚感アップ、脂肪低減といった効果を付与する事が可能である。 また、コーティング等の用途には、目的に応じ、低粘度~高粘度のタイプを選択できる。 この他、同社は、これまでに培った食品への応用技術を駆使し、新たな用途も行ってきた。これまでに、麺や米飯のばらけ向上、シャーベット等の食感改良、かまぼこ・魚肉ソーセージのケーシングから剥離性向上や食感改良の効果を確認しており、これらの一部は製剤開発済みとの事。 例えば、ビストップ ® ND-50は、麺のほぐれ向上効果のある大豆多糖類とHPCを組み合わせた製剤で、幅広い温度帯において麺のほぐれ効果を発揮することができる。また、ビストップ ® D-1950は、米飯のばらけ向上に適した製剤との事。さらに、シャーベット用の製剤も開発中で、口融けが良好で淡雪状の組織・食感を有する、今までに無い食感のシャーベットを調製することができるようになるとの事。 今後、同社は、ユーザーのニーズに対応し、より広範な製剤開発にも力を入れる方針。

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