食品添加物の基礎知識

多くの食品に含まれ、私たちにとって非常に身近な存在でありながら、食品添加物の役割や効果は、あまり知られていません。「食品添加物=体に悪いもの」という誤った認識を持っている人も少なくありません。大切なのは、食品添加物について正しい知識を持つこと。ここでは食品添加物とはどのようなものか、「ホントのところ」を紹介します。

1.食品添加物とは?

食品添加物は、法律上、次のように定義されています。

■食品添加物とは
「食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で、
食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法 4条2項)

平たく言えば、以下のようになります。

保存性を高めたり、品質の改良や風味、外観の向上のために食品に添加されるもの

食品添加物は、法律上、4つに分類されます。安全性と有効性を確認して厚生労働大臣が定めた「指定添加物」、長年の食経験などから天然添加物として品目が決められている「既存添加物」のほかに、「天然香料」や「一般飲食物添加物」に分類されています。

■食品添加物の分類

食品添加物の分類

(平成29年8月末現在)

2.食品添加物の安全性

国に認められた指定添加物は「リスク分析」によって安全性が確保されています。リスク分析は、「リスク評価」「リスク管理」、および「リスクコミュニケーション」の3つの要素からなり、食品添加物のリスクを科学的に評価するとともに、人の健康に悪影響を及ぼさない安全なレベルが保たれるよう管理する体制が整えられています。
また国際的には、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が協力してJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)を設立し、食品添加物の安全性を評価しています。

■リスク分析

①リスク評価
食品安全委員会が行う
食べても安全かどうかを調べて、決める。国際的にはJECFAが実施
②リスク管理
厚生労働省、農林水産省および消費者庁などが行う
食べても安全なようにルールを決めて、監視する
③リスクコミュニケーション
食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省および消費者庁などが主催
消費者、事業者など関係者全員が理解し、納得できるように話合う

①リスク評価

リスク評価では、動物実験の結果から有害な影響が見られない量(無毒性量)を求め、そこからヒトが一生毎日食べ続けても有害な影響はないと考えられる一日当たりの摂取量(ADI)を設定します。ADIは、無毒性量の通常1/100です。

一日摂取許容量(ADI=無毒性量の10/1

■摂取量とヒトの体への影響

摂取量とヒトの体への影響

②リスク管理

リスク管理では、日常の食事を通して摂取される食品添加物がリスク評価で定められた一日許容摂取量(ADI)を超えないように、どの食品にどの程度の食品添加物を使って良いか、使用基準を設定します。また、定期的に摂取量調査を行い、実際の摂取量がADIを超えていないかを確認しています。

3.食品添加物の役割

食品添加物にはそれぞれ目的(役割)があります。食品添加物を含まない食品が、必ずしも優れているとは限りません。食品添加物によって、「おいしさ」や品質が高められている場合もたくさんあります。

■食品添加物の役割

①食品を製造または加工するときに必要とされる
食品添加物はほとんどの加工食品に使われています。豆腐などの伝統的な食品はもちろん、中華麺、アイスクリーム、まんじゅうなど、食品添加物なしではうまく作れない食品がたくさんあります。豆腐を固める「にがり」、中華麺の「かんすい」などがその代表例です。
②食品の品質を保つ
食生活において最も気をつけなければならないことの一つが、食中毒です。食品添加物の一つである保存料は、食中毒の原因となる微生物の繁殖を抑えます。また酸化防止剤は、食品中の油脂などの酸化を防ぎ、変色・変臭や発がん性の可能性がある過酸化物などの生成を抑えます。
③食品の嗜好性を向上させる
食品は、色、香り、味、食感などが重要な要素です。彩りを添える、色や風味を高めるなど、食品をよりおいしく魅力的なものにするのに大きな役割を果たしています。また、これまでにない食感や味を創り出すなど、食文化をより豊かにし、私たちの生活の質の向上に役立っています。
④栄養価を補填・強化する
食品を調理・加工する過程で、原材料の栄養成分が減少することがあります。この失われた栄養成分を補填したり、強化するために必要とされています。ビタミン、ミネラル、アミノ酸類が栄養強化剤として使用されています。
参考:改定新版 よくわかる暮らしの中の食品添加物

食品添加物に対する誤解をなくし、正しく理解し、これからも有効に生かしていきたいものです。